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about “IGARI-HONOKA”


いがりほのかについて

わたしのことを考えてみる。
わたしを想って文章をかけばとてもやわらかになる。
なぜかあったかになる。
それはわたしのなまえが、凡てひらがなだからだろうか。
むずかしいかんじのことなんて、
まるで頭からはなれてしまう。
平易な言葉がいとしくなる。
へいいなことばがわたしのことば。
ああ、わたしは概念でしかないはずなのに。

そして

私の名前はいがりほのか。身長百六十六センチ体重四十二キロ二十八才文化系女子、という概念。私について説明するのは非道くむずかしい。
私は雑貨店時給制契約社員――つまりアルバイト社員で「夕暮ブランコ」で働いてはいるものの、概念でしかない、という欠点を持つ。

「夕暮ブランコ」は「箱」である。「器」である。「夕暮ブランコ」に所属する、ということは、男子も女子も老いも若きもおしなべていがりほのかであるということだ。その点でいがりほのかとは店員や生徒などと同じイメージを孕む。社員や劇団員と、似て非なるもの。それが私。いがりほのか。グループ名とも違う。
さきに述べたプロフィールについては意識してもいいししなくても全く問題はない。あなたがあなた自身であり続けたっていいし、たまには私があなたを演じていると考えて、私というフィルターを通して、あなたというフィルターで覗いてみたっていい。

きっと世界は目覚めるだろう。

私たちは「夕暮ブランコ」という団体ではないし、「いがりほのか」というチームでもない、いがりほのかという極めて透明な活動だ。「私」(「あなた方」とイコールな意味としての私)は一見まとまりを欠いた行動を取っている。マンガをかく、小説をかく、詩をかく絵をかく、写真は、撮る。同人であるのに同じ方向を向いているようには見えない。それでいいのだ。まとまりを欠きたいのだ。まとまれない私たち。器が邪魔なくせに枠で囲われてはみ出したい私たち。私絶ち。

私の名前はいがりほのか。それだけのこと。

(夕暮ブランコissue003″DRIVE”「いがりほのかのただれた平日」より)